木のバターケースとバターナイフ
初めて木のバターケースを見たのは結婚前で、15年以上前。当時、雑誌『LEE』に木工家の三谷龍二さんのバターケースが載っていて、ずっと憧れていました。どっしりした風合いと、油と相性のよい木製であること、なによりデザインが素敵だったのです。欲しかったけどまだ独身だったし、人気がありすぎてなかなか手に入らないという情報もあり、見つめるだけでした。
作家さんにそこまでこだわらなくてもいいかなと思っていたので、ずっといろんなお店や、クラフトフェアなどで、バターケースをチェックし続けていました。急ぐものでないので、お気に入りが見つかるまでじっくり探せばいいかなと思って。15年経過(笑)長く使うことを前提にものを探すので、時間がかかっちゃいます。
昨年、千歳空港のクラフト土産が売っているお店で、このバターケースを発見。容器と蓋のバランス、はめたときのラインの美しさ、はめ心地がよいところがいいなと、ドキドキ。でも急な出合いだったので、本当に欲しいかどうか、もう一度考えようと、そのときは買わずに帰りました。
それから半年ほど経ち、ネットでチェックを続けて、購入を決意。高橋工芸さんのKaKuDoバターケースです。ウォールナット、チェリー、メープルがありますが、メープル材を選びました。薄い木肌の色が好きなのです。
いままでアルコロックのガラス製バターケースを使っていたのだけど、木製はいいですね。オイル仕上げなので、バターがこれから自然になじんでいくのが楽しみ。手触りが優しくて、木目が美しいので、うっとりしながら使っています。
バターケースにバターナイフが付属しているのですが、ずっとうちにあるお気に入りと一緒に使っています。プラム工芸さんのバターナイフは、クロワッサンの催事で見つけたもの。岩手にある工房で、カトラリーやしゃもじ、靴べらなどをつくっています。斧折樺(おのおれかんば)という木を使っていることが特色。斧折樺は「斧が折れるほど堅い広葉樹」なのだそう。そんな堅い木なのですが、持つと肌なじみがよくて、バターにするりとナイフが入るのです。そしてやはり、とても丈夫ですね。
バターナイフが気に入って、その後、木のおさじも購入。口に入れるとラインの優しさがよくわかり、太すぎないカーブで料理がおいしく感じられます。あと、靴べらやカッターナイフも持っています。催事で会うたびに、なにか買い足すのが楽しみになっているんです。
木が好きなので、木のアイテムを紹介することが多いですね。ものを長く大切にしたいので、つくり手の顔や体温がわかる道具が好きなんだなと思います。IKEAとか無印良品とかも、もちろん好きですよ。